初代ゲームボーイのバックライト化のこと 実装編
パーツは揃った!あとは勇気を出すだけだ!
前回までのあらすじはパーツ輸入編をご覧ください。
さて、パーツも揃ったところで、あとは実際の作業をがんばる段階になりました。今までのゲームボーイチャレンジとはちょっとレベルの違う作業になりそうで、正直不安です。
不安を解消するため、今回もインターネット上の偉人の皆様の知恵をお借りしております。ありがとうございます。
前回までのあらすじ
初代ゲームボーイのバックライト化のこと パーツ輸入編|tee-suzuki.com
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最後?のゲームボーイチャレンジ! 2014年のゴールデンウィークに外装レストアを行ったのをきっかけに、液晶のライン抜け修理をして、自分が初代ゲームボーイにできるのはまぁここまでかなと...
バックライト化までの流れ
- 分解
- 液晶反射材の剥離
- バックライト接続
- 組戻し
準備したもの
- 初代ゲームボーイ本体
- バックライトキット(バックライト、偏光フィルム)
- ドライバー(分解に使用。プラス、Y字)
- カッターナイフ
- ピンセット
- はんだごて
- はんだ(適量)
作業開始!
まずは分解です。初代ゲームボーイの分解については過去のエントリー「初代ゲームボーイの外装レストアのこと」に詳しく書いていますので、こちらを参考にしてみてください。
今回は外装を外した後、表面側の基盤と裏面側の基盤をつなぐコネクタを外す必要があります。やや固めのコネクタですが、グッと力をかけて引き抜きます。
なお、この分解作業以降はバックライトキットの販売店であるNonfinite Electronicsさんの動画をもとに作業していきます。
液晶の取り出し
そしてついに今回のメイン作業、液晶の加工です。
まず、液晶下部の茶色のフィルム部分(初代ゲームボーイの液晶ライン抜け修理で温めたアレ)のネジをはずし、液晶パーツの可動域を広げます。
液晶自体はホールドされていないため、基盤を裏返すとガラス板状の液晶がぶらりと外れてきます。ただし、最終的に取り外しできない基盤向かって液晶右下の接続部分があるため、完全には外すことはできません。
ここで、液晶内部に接地されている白いスチロールのクッション材を外しておきます(動画1:45くらい)。
反射材の剥離
ガラス板状の液晶は、裏側にアルミホイルのような反射材が貼られており、ここが外部からの光を反射させることで液晶の画面が見えている、という仕組みになっています。
今回はバックライト化ということで、この反射材を外して代わりにバックライトを仕込む、ということになります。
反射材の剥離はカッターで液晶からはがす、という作業になっており、動画では比較的アッサリはがれるようですが(動画2:00〜2:40)、正直なところ不安を隠せません。
的中した不安
Nonfinite Electronicsさんがわずか40秒で行ったこの反射材の剥離作業に、魔物が潜んでいました。
手持ちのカッターナイフで同じように角から切り込みを入れ「よし、このままペローンとはがすぞ!」と思った矢先。
一瞬で反射材が破れました。
と、いうことはまたカッターを入れるわけですが、破れた箇所は内側になりますので、当然外周(角)に刃を入れるよりも難しくなってきます。
そして絶望へ
最初の思い切りが悪かったのか、結局反射材はめちゃくちゃな状態に……。カッターとピンセットで少しずつはがしながら進んでいくしかないという、あまりに厳しい作業となったのです。結果、1時間以上にわたる反射材の剥離と、シールはがしを使った粘着質の処理を行うことになりました。
なお、涙目になりながら追加で買ってきたこのシールはがしですが、今回の作業では粘着質の処理には多少なりとも役に立ったとは思いますが、反射材の剥離にはほとんど効果が見られませんでした(後に、ハードオフのジャンク箱から買ってくる数々な製品の値札はがしに絶大な威力を発揮するのですが、それはまた別のお話)。
2014年10月26日追記
コクヨ シールはがし、本当はスゴイ奴なんです……。
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ハードオフでジャンク品を買った後のお役立ちグッズ 2014年8月、初代ゲームボーイのバックライト化をした時に、液晶の反射材をはがすのに大失敗し、台風が直撃する中、涙目でホームセンター...
意地と賭け
実はここまでの作業で、一部パーツが破損しています。
ひとつは液晶部分にカッターを入れ続けたことによる液晶自体への小キズ。もうひとつは液晶外周のプラスチックパーツの割れです。
反射材の剥離にあたって、できるだけ作業領域を確保するために広げた結果、曲がってはいけない方向に力がかかってしまい、割れが発生してしまいました。
さらに言えば、シールはがしスプレーの吹き付けを行っていますので、できるだけのカバーをしてはいますが、基盤にどんな悪影響が出ているかわかりません。
とはいえ、ここまで来てバックライト化をあきらめきれるものではありません。正常に動作するという目に賭けての強行突破です。
バックライトの設置と電源の接続
絶望の反射材剥離を終え、ついにバックライトの設置に入ります。
設置そのものはこれまでの作業に比べれば何も悩む必要はありません。液晶の後ろにバックライトを置き、基盤側から数えて以下のように設置します。(動画3:00くらい)
基盤 → バックライト → 偏光フィルム → 液晶
あとは電源の接続です。表側基盤中央部分の穴からケーブルを取り回し、裏側基盤にはんだづけして電源を取ります。
プラスマイナス各電源の取得個所は写真をご覧ください。なお、今回使用したキットでは、動画内にある抵抗の接続は必要ありませんでした。
ついにバックライト点灯へ!
電源の接続も終わったところで、気持ちの上では点灯orクラッシュが半々くらいの確率かなと思いつつ、基盤上のケーブルのみ接続し直して、いよいよ点灯試験です。
灯ったーーーーーーーー!!
眩しいほどに灯ったーーーーー!!
これは感激です。これで90年代の遊戯少年(ゲームボーヤ)たちが夢見た「親に隠れて布団の中でゲームボーイ」が25年の時を経て、ついに実現します!(え? 98年にゲームボーイライトで実現してる? 野暮は言いっこ無しですよ!)
あとは組戻して一件落着です。
ゲームボーイチャレンジ、ここに完結!
初代ゲームボーイ25周年を記念して外装レストア、液晶ライン抜けと続いてきた初代ゲームボーイに対する修理改造シリーズも、これにて完結としたいと思います(プロサウンド化もありますが、外装に穴あけ加工をするのに抵抗がありまして)。
2014年の任天堂さんはNew3DSという最新のハードを世に送り出そうとしていますが、ゲームボーイがくれた遊びや喜びは、今も変わらずに自分の中にあります。
2014年の遊戯中年から、ゲームボーイに愛と感謝をこめて、ありがとうと言いたいです。
参考:これでまでの初代ゲームボーイチャレンジ企画
初代ゲームボーイの外装レストアのこと|tee-suzuki.com
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〜本エントリーの注意点〜
このエントリーはゲームボーイの改造を推奨するものではありません。ゲームボーイの分解および内部部品への加工は故障、事故などの原因となる危険を伴う場合があります。作業にあたっては十分な注意の上、作業者自身の責任で行ってください。