コナミアンティークスMSXコレクションのこと(前編)

先日のグラディウス30周年にあたってグラディウス本体と同様に熱い気持ちを吐露したグラディウス2ですが、このグラディウス2を生み出したMSXとコナミという奇跡的な組み合わせは、MSXユーザーにとっては忘れようにも忘れられないほどの楽しいゲームライフを与えてくれました。この頃のコナミ、そしてMSXとの触れ合いは大変貴重なものだったと思い返すのです。
そんな「MSX x コナミ」の魅力を手軽に体験する方法としては、2015年現在ではプレイステーション版「コナミアンティークスMSXコレクション」が挙げられます。
今回は、これらのラインナップからオススメのタイトルとその思い出について書き残してみたいと思います。


コナミアンティークスMSXコレクション Vol.1


コナミアンティークスMSXコレクション Vol.1

裏面のコピーは「ゲーム史的、事実!」

  • コナミのボクシング
  • コナミのピンポン
  • モピレンジャー
  • ハイパースポーツ2
  • けっきょく南極大冒険
  • イー・アル・カンフー
  • ロードファイター
  • スカイジャガー
  • グラディウス
  • ゴーファーの野望 エピソードII

Vol.1についてはやはり前回のエントリでも触れたグラディウスと、ゴーファーの野望 エピソードIIが重要なタイトルと言えます。
グラディウスについては「グラディウス30周年のこと」であれこれと書きましたので、ここではゴーファーの野望 エピソードIIのことを。


ゴーファーの野望 エピソードII


ゴーファーの野望 EPISODE II タイトル画面

グラディウスIIとは誰も言っていません

ゴーファーの野望 EPISODE II 人工太陽ステージ

人工太陽はがんばって再現

本来「ゴーファーの野望」と言えばグラディウスIIの副題として知られていますが、ここではグラディウスからグラディウス2、沙羅曼蛇と続くMSXオリジナルのグラディウスシリーズ最終作として位置付けられているタイトルとなり、事情を知らない方には少々ややこしいことになっています。タイトルが示す通り、アーケード版として先行していたグラディウスIIのエッセンス(4種の自機タイプやオープニングステージの人工太陽ステージなど)を元に大胆なアレンジを加えることで実質的に別のゲームと呼ぶべき仕上がりになっています。
アーケード版のグラディウスIIと同等の演出をMSXに求めるのは酷というものですが、グラディウス2から作り上げたMSX版オリジナルのステージやボス、ストーリーなどを掛け合わせて見事に調理したと言ってよいと思います。

強烈な思い出として残っているのは、必死にプレイを続けて初めて最終ステージにたどりついた時のことでした。ステージ中盤でとあるアイテムを入手するのですが、取った時にも普通にショットを打っていたら、突然自機から極太のレーザーが! うおおお! と思ったのも束の間、撃てたのは1発。そして眼前に迫りくる逃げ場の一切無い壁……。そう、この特殊アイテムは壁を壊すための、この時のためだけのアイテムだったのです。見事な初見殺しでした。苦い思い出です。

コナミアンティークスMSXコレクション Vol.1
コナミ (1997-11-20)
売り上げランキング: 20,546

コナミアンティークスMSXコレクション Vol.2


コナミアンティークスMSXコレクション Vol.2

裏面のコピーは「ゲーム史、発見!」

  • コナミのゴルフ
  • コナミのビリヤード
  • わんぱくアスレチック
  • マジカルツリー
  • イーガー皇帝の逆襲
  • 魔城伝説
  • スーパーコブラ
  • ツインビー
  • グラディウス2
  • ハイパースポーツ3

言わずと知れた名作中の名作、グラディウス2(こちらも詳しくは「グラディウス30周年のこと」にて)を擁するVol.2ですが、忘れてはいけないのが、イー・アル・カンフー2を副題に持つ「イーガー皇帝の逆襲」でしょう。また、意外にも時を忘れて遊んでしまう「わんぱくアスレチック」もおすすめの1作です。


イーガー皇帝の逆襲


イーガー皇帝の逆襲 タイトル画面

副題に心おどる!

先にお伝えしたように、イー・アル・カンフー2を副題に持つ本作。ストーリーを簡単に説明しますと、初代の息子リー・ヤングを操ってのイーガー皇帝と7人の武官を倒すというもの。というか「イーガー皇帝と7人の武官」という響きだけでかなり燃え上がるものがあります。
基本的なシステムは、小敵隊と呼ばれるザコ戦を3画面分戦った後に武官ステージ、という流れとなりますが、この小敵隊を倒すことでウーロン茶の葉が取得でき、5枚で体力全快アイテムウーロン茶に変わりますのでザコ戦も気が抜けません(高次面では純粋に難しいですし)。
1985年という時代背景から考えますと、いわゆる対戦格闘のフォーマットを持つゲームとしてはストリートファイター(1987年・カプコン)に先駆けたものであり、どちらかと言えばストリートファイターの源流というよりは、ザコ面+ボスという意味ではスパルタンX(1984年・アイレム)へのオマージュが感じられる1作となっています。


イーガー皇帝の逆襲 1面ボス

この辮髪どうなってるんだ……

全体的には個性豊かな武官たちとの戦いは前作のスケールを上回るもので楽しく遊べますが、高次面になってくると難易度がグイグイ上がってきます。前述のウーロン茶に加え前作をスロット2に入れることで父からのウーロン茶の差し入れがあったり、隠しアイテムのラーメン(一定時間無敵アイテム)などのお助け要素があるからなのか、はたまた単純に自分の腕が悪いのか、正直7人目の爆弾男までたどり着くのもなかなか大変です。
その最たるものがラスボスであるイーガー皇帝。プレイヤーであるリー・ヤング側に飛び道具の無いこの世界において、間合いの詰め方というのは全ての面で重要になってくるのですが、イーガー皇帝の無茶な飛び道具(空から落ちる無数の雷)に加え、パックマンもびっくりの画面両端による空間移動を使われることで、正直むちゃくちゃな難易度となっています。だからこそ、クリアの感動もひとしおなのです!


わんぱくアスレチック


わんぱくアスレチック タイトル画面

邦題との関連はアスレチックだけ

わんぱくアスレチック シーン1

いきなりツタわたり

一見するとごく単純なステージクリア型のアクションですがエンディングは無く(無い……と思います)、延々1画面=1シーンを進み、10シーン単位となっている1ステージをクリアすると残りタイムに応じてタイムボーナスが入るという流れになっています。
最初はギミックも簡単で余裕の展開なのですが、1ステージごとに確実に難易度は上がります。はじめは1つの石を飛び越える、1つのボールを飛び越えるなどごくごく簡単な内容であったのが、徐々に複数のギミックが組み合わされて大変なことになっていきます。
それにしてもこのアスレチック、ツタを渡って池を飛び越えるというサーカスチャーリー(1984年・コナミ)もかくやという危険を伴ったり、焼き栗が爆ぜる焚き火や襲い来る蜂、といったアスレチックとしてはまぁまぁ度を超えた内容になっています。坊やの運命やいかに。いかに。

本作の面白さは、やはりこの難易度の妙。忍者が毎日麻の木を飛び越えてジャンプ力を養ったがごとく、最初は低い難易度で「こんなのミスするわけがない」というところから、気づけば目に見えて難易度が上がるステージ3近辺ではもはや別ゲームという状態になっているのがたまりません。
プレイヤー自身の経験値がそのままプレイに反映される、個人的に大好物のタイプのゲームなのです。

コナミアンティークスMSXコレクション Vol.2
コナミ (1997-11-20)
売り上げランキング: 20,517

と、いうわけでまだVol.2 の時点で長くなってきてしまったので、今回の「コナミアンティークスMSXコレクションのこと」は後編に続きます。
ここまででもまぁまぁ思い出で胸がいっぱいですが、もう少しお付き合いくださいね。



RSS 2.0 Login