本気で遊べるキーチェーンゲーム マメゲームシリーズのこと
以前「キーチェーンから筐体型まで いろんなin1ゲーム機のこと」でも書きましたが、この2018年をして、キーチェーンゲームというのはどこかしらに需要があるものだなぁと思い知らされました。こと固定セグメント式のものに関して言えば、結局のところ多少筐体の見栄えを変えているだけのものがほとんど(まぁそこがまた憎めないわけですが)。
ですが、90年代当時、in1機とは真逆のコンセプトでいろいろな単タイトルのキーチェーンゲームがありました。キャラもの、アイデアが光るものなど様々ありましたが、なかでもアーケードゲームファンとしてのハートをぐっと掴まれたのがバンダイの「マメゲーム」です。
複数メーカーの公式ライセンスというオールスター感
当時のキーチェーンゲームというと超ビッグネームのたまごっちを除けば、テトリスクローンやin1機のようなやや怪しげな、だからこそ安価なものも多かった印象があります。がしかし、今回紹介するマメゲームはバンダイ発売で80年代アーケードゲームのマスターピースがラインナップされており、まさかのオールスター感を醸し出していたのでした。
とりあえず手元にあるのは「スペースインベーダー」「パックジュニア」「ギャラクシアン」「クレイジークライマー」「コラムス」「ボンバーマン」なのですが、このバラけた各メーカーからよくこのタイトルをラインナップしたものだなと感じます。各本体裏側にはタイトルロゴがプリントされており、雰囲気を盛り上げます。単純に筐体サイズ、カラーリング、ロゴなどのプリントだけを取ってみてもかわいらしいルックスで、いい意味で時代を感じさせません。
キーチェーンゲームならではの味付け
実は率直に言って、マメゲームのタイトル全てを絶賛するわけではありません。例えばスペースインベーダーについては見慣れたインベーダーの姿とは違ったキャラクターで「え? これ、それっぽい偽物?」という残念な感じを受けたりもします。仕様上致し方なかったとは言え、もう少しなんとかできたのではないかという思いもありますが、良くも悪くもキーチェーンゲームならではの味付けというものがあるということでしょう。
これらのラインナップからtee-suzukiがおすすめするのは、限られたリソースの中でうまくアレンジされたと感じられる「パックジュニア」「クレイジークライマー」の2タイトルです。
4ボタンから生まれる「登る感」!? クレイジークライマー
過去、多くのハードで移植されてきたクレイジークライマーですが、個人的にはバンダイのFLクレイジークライミングを除き、あの2レバーを再現できたものは無いのではないかと思います。しかしてこのマメゲーム版クレイジークライマーは4ボタン構成。果たしてどうあのプレイ感覚を落とし込むのかというところに注目してしまうわけですが、これが意外に悪くない。
左右のボタンで位置を変え、上下のボタンで登る。たったこれだけ、かつ原作のような両腕のイメージとは違う。それでも「登るぞ!」と体制を整えてリズミカルに上下ボタンを操って登っていくこの感覚は確かに「クレイジークライマー」を名乗ってもいい爽快感がありました。
当然ながらシビレ看板もキングゴリラも鉄アレイも出てきませんが、それでもいろんなクレイジークライマーが存在するのは、このゲームの核になる面白さが「登りまくる快感」にあるからではないでしょうか。おじゃまMAN、コンドルといった要素とこの「登る感」をこのサイズの筐体に閉じ込めるということを、うまくまとめたなぁと感じるのです。
パックマンじゃなくて「パックジュニア」なのです
先にオールスター感というお話を出しておいてなんですが、こちらは「パックマン」ではなく「パックジュニア」なのです。それこそ良くも悪くものどかであった80年代には、多くのパックマンクローンが生まれました。名前だけ見てみればMIDWAYからリリースされていたジュニアパックマンとも似て非なるこのタイトル、一体どんなゲームなのでしょうか。
この「パックジュニア」は、単に名前がどうこうというわけではなく、ゲームのシステム自体にキーチェーンゲームならではの工夫がなされており、良い意味で別のゲームとして認識されるようにと名付けられたのかなと想像してしまいました。
狭いディスプレイを活かすために、左右のワープトンネルは単に左右を繋ぐだけではなく、別画面となる2つ目のステージに繋がっており、この2画面のエサをすべて食べてクリアとなります。
そのほか基本的なルールはパックマン同様、パワーエサによる逆襲も可能(コーヒーブレイクまである!)。狭いディスプレイの中に、ちゃんと表示できるキャラクタとゲーム性を押し込めようと思った場合、この2画面という仕組みはとても相性が良い組み合わせのように思います。
なお、この2画面システム、マメゲームの他のタイトルでも使われており、ボンバーマンに至っては4画面を切り替えというなかなか気合の入った一押し機能のようです。
手軽な楽しさと、面白さの原点
ともあれ、クレイジークライマーにせよ、パックジュニアにせよ、共通する点は「タイトルの基本的な魅力を見極め、残していること」なのではないでしょうか。表現力に劣る固定セグメントのキーチェーンゲームでも、面白さの根の部分を味わえることができたなら、十分な満足感が得られる、そんな気がしました。
in1機のシャレっ気も悪くありませんが、限られたスペックの中で本気で遊べる・楽しめるキーチェーンゲーム、というのもまたよいものです。
なお、このマメゲームシリーズ、2018年現在ではAmazonではほぼ取り扱いがないため、ネットオークション、フリマアプリなどで探すのが良さそうです。興味がおありの方は是非。
それではまた。