名前入りゲームカセットの名前消しのこと
以前からそういうコレクションをされている方(層)がいらっしゃる、というのは存じておりましたが、名前入りのカセットを収集されている方がその保護と返還に「名前入りカセット博物館」を立ち上げている、というニュースを見て、おお...と。
個人的にはソフトに名前を書くということを全くしなかったタイプなので、なんというか正直リアルタイムな思い出としては共感しかねる部分はあるのですが、言わんとしていることは非常に理解できるものがあります。
が。
大変申し訳ないと思いつつ、中古で「これだ!」と思ったソフトを手にしたとき、名前入りだとがっかりしてしまうのです。それでも、どうしてもあきらめきれない……。そんな時、ワタクシ、思い出を消し去ってしまうのです……。
名前入りゲームボーイカセットの名前消し
と、いうわけで今回はゲームカセットに書かれている名前をなんとか消してきれいにしようという試みです。俎上に上りますのは4本のゲームボーイソフト。近年ゲームボーイ向けソフトで遊ぶことが多く、中古市場やハードオフさんのジャンク箱をごそごそと探していた時に「おお、名前入り……」と思いながらも救ってきたものたちになります。
今回試してみたのはプラモ用塗料のうすめ液。こちらをティッシュに含ませて擦り落としていこうという魂胆です。
結果
半分はだいぶ薄く消すことができましたが、もう半分は完全にインクが染み込んでいるのか、全くどうにもならない状態です。ぐぬぬ。
禁断の秘技 ニコイチ化
この状態では元の名前を消すということはできませんでしたが、まだ方法はあります。名前の無い外装と取り替える、というやり方です。実のところ、この方法はいろんな方面に申し訳ないのであんまりやりたくなかったんですが、背に腹はかえられぬということで実践です。
ゲームボーイソフトの外装は、特殊なネジで止まっています。例によって例のごとく、本ブログで分解作業時に使用している工具でおなじみの信頼のブランド・エンジニア社の特殊ネジドライバーの出番です。前回のエントリでご紹介したDTC-27の弟分、DTC-20を使うと、ゲームボーイソフトが分解できます。
ネジ1本で止まっていますので、ネジを外したら上下方向にスライドさせると簡単に分解できます。分解後は、元の名前入りの外装と取り替えて再度組み立てれば、なんということでしょう。名前無しのきれいなカセットとなりました。うーん、えも言われぬ罪悪感が。
その思い出、受け継ぎます
今回特に印象深かったのは、うすめ液で消えなかったドラゴンズレアの持ち主、ひろみつくん。ぶっちゃけた話、自分が遊んだ数々のゲームの中でもナンバーワンが狙える超ド級の難易度でして、ひろみつくんは起動したとき何を思ったのか、思いを馳せざるをえないなと。この1本に魂と単三電池を捧げたのか、早々に売り払ったのか、他に何か買ってもらえたのか、ああ、ひろみつくん。今ここにはいないひろみつくんと、ドラゴンズレアについて語りたくてしかたありません。
「ひろみつくん、Troll Village(1面)クリアできた?」と。
今回名前を消したり外装交換したりした自分が言えることではありませんが、名前入りカセットに対するノスタルジックな気持ちや思い出というのは確かにあって、思い出を受け継ぎながら遊び倒して自分のゲーム棚に収めることができたらいいな、などと思ったのでした。
それではまた。