ネオジオポケットカラーのフロントライト化のこと(完結編)

ネオジオポケットカラーとフロントライトキット

フロントライトキットで今度こそ!

2019年のゴールデンウィークも終わり、すっかり令和の世となりました。
ゴールデンウィークにはなんだかんだで普段できないような工作ごとをすることが多いのですが、今年は積年の課題であったネオジオポケットカラーのフロントライト化に挑戦してみました。


完結編?


そう、今回タイトルには完結編とつけたわけですが、これには理由がありまして、実はこのフロントライト化、過去幾度も失敗をしているのでした。
過去記事にした失敗、その後時間をあけてさらに失敗、その後植えつけられた恐怖心からプリミティブな外部ライト設置などを経て、ついに今回完結、というわけなのです。




キットが出ていたのがきっかけに


これまでインターネットの先人の皆様の間ではゲームボーイアドバンスSPやニンテンドーDSliteのフロントライトを移植する、という方法がポピュラーであったようですが、正味の話GBASPもよほどの運がないと2019年現在では結構なお値段がするハードになってしまっており、その上でミスなく取り出しをしてくというのはなかなか難しく感じます。

そんな中、ゲームボーイのバックライト化パーツなどで利用していた海外の通販サイト、Hand Held Legendさんで、ネオジオポケットカラー用のフロントライトキットがセールで売り出されていることで「むむむ……これがラストチャレンジか」と感じ、えいやっと注文したという次第です。



LOCA接着は行わない


ネオジオポケットカラーのフロントライト化にあたっては、Hand Held Legendさんの動画をそのままなぞる形で作業しましたが、大きめの変更点が1つ。LOCAを使用しての液晶との接着は行なっていません。

動画中にも注意がありますが、とにかくこのフロントライトと本体液晶の接着にあたっては埃の除去が非常にシビアなレベルで求められます。そして、UV光での硬化の過程で、LED部のアルミシート部分などから蜘蛛の巣状のラインが生じてしまうという可能性があります。
そして、最大の問題として「接着後に気になる点があっても取り返しがつかない」というところが二の足を踏ませました。


LOCA接着でフロントライトを組み込んだGBA

こちらがLOCA接着でフロントライトを組み込んだGBA

実は過去、ゲームボーイアドバンス初代用のフロントライトキットを同じくHand Held Legendさんで購入、取り付けしたことがあり、その際にはLOCA接着を行ってみたのですが、正直納得のいかない仕上がりでして、かといって取り外せるわけでもなく……。
そういった経験もあり、今回はLOCA接着なし、なにかあったら元の形に戻せる道を残すことにしました。


今回の作業


前述の通り、Hand Held Legendさんの動画をそのままなぞる形で作業を進めています。なお、動画中ではスピーカーの配線を外していますが、過去の経験上この部分は外さなくても作業に支障はありません。


ネオジオポケットカラー フロントライト実装途中の状態

液晶前面に挟み込むだけ。あとは基板から電源を取るだけです

ポイントとしては、電源+側の取得位置がC20ということで、実はこれまでの失敗はREF4Vからの取得にあたってハンダがどうしてもうまく乗らず、というのが原因のひとつだったので、今回はサクッと作業が進みました。この辺りは自分の作業能力の問題なので、もうどうしたものかと悩んでいたのが、ようやくの解決です。

フロントライトの実装にあたっては、特に筐体側の加工も必要なく、若干の厚みが増す程度なので、あっさりと完了したのでした。


成功? それとも?


さて、組み戻し後、あらためて電源投入。光ったーーーーー!!
のはいいんですが。いいんですが。
思っていた状態とはやや違っています。


ネオジオポケットカラー フロントライト稼働状態

光ったー! けど……??

具体的には、光の白さと、導光板自体に施されているドット状の模様で見づらいというのが正直な感想です。
確かに明るくなりました。明るくはなったのですが、それが見やすいかと言われると別問題です。
改善点として、抵抗などで光量を落としたり、AR反射防止フィルムの貼り付けなどが考えられなくはないのですが、根本的な問題として、物事には限界というものがあるのではないかと。

つまるところ、今回の作業については「試合に勝って勝負に負けた」的な状態ではないかと感じたのです。


ネオジオポケットカラーの純正液晶は優秀だった!?


導光板や作業工程などに問題があった可能性を差し引いたとしても、なかなか厳しい結果となったわけですが、比較用に並べた純正液晶状態のネオジオポケットカラーを見ると「え? もしかしてこれ、めちゃくちゃ美しく見やすいのでは……」と気がついてしまいました。

当然2019年現在のバックライトが当然の時代のハードに比べれば暗さは否めませんが、反射型液晶の基本として、明るく光が入る角度で使用すればよいわけです。そして、その条件下であれば、実は同世代となるゲームボーイアドバンスやワンダースワンカラー(およびスワンクリスタル)と比べても非常に見やすい画面なのではないかと思います。


ネオジオポケットカラー 画面表示例

まずはネオジオポケットカラー

スワンクリスタル 画面表示例

同条件となるよう、TFT液晶のスワンクリスタル

ゲームボーイアドバンス 画面表示例

そしておなじみゲームボーイアドバンス(初代)

実際にフロントライトを実装してみて、もしかして、以前苦し紛れにやってみた外部から他のライトで照らすというのはあながち悪くないプランだったのでは、と思い返しています。


ともあれ、ネオジオポケットカラーのフロントライト化「完結」です


最初のチャレンジから4年。フロントライトの摘出と電源取得がクリアできた今回のキット&作業でついに完成となりましたが、理想とはまた違った結果に。ただ、それもこれも、やってみなければわからなかったこと。
ネオジオポケットカラーのフロントライト化はこれにて一旦完結ですが、またこれからもマイペースに楽しそうな工作をしてみたいと思います。

それではまた。


〜本エントリーに関する重要なお知らせ〜


このエントリーはネオジオポケットカラーの改造を推奨するものではありません。ネオジオポケットカラーの分解および内部部品への加工は故障、事故などの原因となる危険を伴う場合があります。作業にあたっては十分な注意の上、作業者自身の責任で行ってください。




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