初代プレイステーションのリサイクル時計のこと

なんとか完成!

2015年のゴールデンウィークも終わりです。
ゴールデンウィークにはなんだかんだで普段できないような工作ごとをすることが多いのですが、今年はそうさめもさんで紹介されていた、初代プレイステーションの筐体をリサイクル利用した時計を作ってみました。
ちなみに昨年はほぼ同じ書き出しで「初代ゲームボーイの外装レストア」をしていました。今思えばこのへんからこのブログの方向性が決まってきた気がします。
まぁそんなことはともかく、なんとかゴールデンウィーク中に作業が終わりましたので、今回の作業について書き残してみたいと思います。


そうさめもさんの記事で一目惚れ


今回の工作のきっかけは、そうさめもさんの2015年4月24日の記事「このアイデア、真似したい!壊れたプレイステーションで作られた壁掛け時計」でした。初代プレイステーションのディスクカバー部分を文字盤にして、時計を仕込んで壁掛け時計にしたというRecycled Sony PlayStation PS1 retro video game console wall clock 2.を紹介したこの記事を見て、そのかっこよさ、かわいさに一目惚れ。これは今年の連休で作るしかない! と決意するのでした。
そうさめもさんはゲームに関するかっこいいもの、かわいいものの情報が充実していて、いつも楽しませていただいています。


さて準備から。用意した物

今回の工作にあたって用意した物は以下の通りです。
最終的に手持ちの工具でなんとかしましたが、正直なところハンディ電ノコと6~7mm程度のドリルが欲しかったです。
下記にあげる工具であれば、Pカッターをのぞきダイソーさんで入手できるのでそんなに初期投資もかかりません(もしかしたらPカッターもダイソーさんにあるかも?)

材料

  • プレイステーション(ジャンク品。今回の品はハードオフさんで324円でした)
  • 掛け時計(100円ショップにて購入)
  • 単三電池

工具

  • プラスドライバー
  • 電池式ミニルーター
  • ドリルビット(1.2mm)
  • ハンドドリル(3mm。後述しますが6~7mm程度のものがあればベスト)
  • Pカッター
  • ヤスリ(お好みで)
  • グルーガン(もしくは接着剤)

今回の工程

  1. 分解・清掃
  2. 時計部品の準備
  3. 文字盤型紙作成
  4. 文字盤加工
  5. 筐体加工
  6. ムーブメント組み付け・動作テスト
  7. 組戻し・完成

1.分解・清掃


ハードオフさんのジャンク棚から保護

裏側5ヶ所でネジ止め

上蓋部分

基盤部分

中性洗剤で洗浄


プレステ本体の分解は裏側のプラスネジを外すだけ。これで上蓋部分と基盤などの下部に分かれます。
CDのピックアップ部分は固定されていませんので、裏返してネジを外して分解した時点で外れてきます。今回は基盤部分はそのままにしていますが、この基盤まで外してしまえばかなり軽量化できて壁掛けを含む取り回しが楽になります。


ハードオフさんのジャンク棚から保護してきたものですのでほどほどに汚れていまして、それこそ昨年のゲームボーイレストアよろしくワイドハイター EXパワーと天日の力で綺麗にしてみたいところですが、諸般の事情によりそんなに時間も無く、中性洗剤でクリーンアップ。


2.時計部品の準備


今回使用したムーブメント、もともとは東急ハンズさんなどで手作り時計キットやその部品の購入を想定していたのですが、失敗した時のダメージを最小限に抑えるために100円ショップで売られている掛け時計を分解して再利用することにしました。
だいたいのサイズを確認し、ほぼCDサイズ=プレステのディスクカバーサイズであることをチェック。これならいけそうです。針がやや短いですが、まぁなんとかなるかと。


この時計の分解も裏側からのプラスネジのみ。フレームとガラス部分はそのまま外れ、ムーブメントは文字盤裏のプラスチック爪で固定されています。フレームとガラス部分を取り除いたあと、秒針、長針、短針を引き抜きます。特に秒針がガッチリはまっていまして少々手強かったのですがグッと力をかけて引き抜きに成功。デリケートな部品なので針を曲げないように注意が必要です。
また、針の取り外し前に12時に位置を合わせておくと組み付けの時にもわかりやすいです。


この時計はセリアさんで購入

裏面。ムーブメントの固定はプラ爪のみ

3針式でした

バラすとこんな感じ


3.文字盤型紙作成


さてこのプレステ時計の特徴の1つがディスクカバー部分に穴あけ加工された文字盤。実は当初ここまでの加工をするのは大変かなと思い市販の文字盤パーツを使うことも考えたのですが、これはもしかしたら本体と針の間にパーツを置く隙間はないのではないかと思い直し穴あけを決意(後にこの懸念は現実のものになりました)。
穴あけのためには、あの丸ドットの感じを再現しなければいけません。フリーハンドで穿つ自信はありませんので、今回は fonts2u さんから Times Square というフォントを使わせていただき、型紙を作成することにしました。
プレステのディスクカバーは約16cm。PC上で、この16cmに合わせて文字盤の数字を配置します。文字サイズはフィーリングで。普通のコピー紙にプリントアウトして型紙の完成です。


Times Squareフォント

ざっくり切ってテープで固定


4.文字盤加工


ミニルーター、ドリルビット、ハンドドリル

3.で作成した型紙をディスクカバーにテープで貼り付け、いよいよ文字盤の加工です。
今回はダイソーさんで648円で売っている電池式ミニルーターと、同じくダイソーさんの1.2mmドリルビット(こちらは108円)を使って穴あけをしていきます。
型紙がずれないように固定しつつ、ディスクカバーの真上からドリルを当てます。斜めに当ててしまうと先端がずれてしまいますのでご注意を。
実はいきなり本体に開けるのが怖かったので、割れてしまったCDケースを使って練習してみました。不安があればこの練習がおすすめです。

今回使用したTimes Squareというフォントで1から12までの数字を作るのには200以上の穴あけをする必要があるのですが、実際に始めてみると思いの外サクサクと作業が進みます。時々裏側からみて進捗を確認するとやる気もアップ! 途中で成果を見たくもなりますが、型紙にずれが生じないようにグッと我慢です。
また、文字のほかに中心に穴を開けます。ここからムーブメントを通しますが、今回はムーブメントの部品が約5mm径、手持ちのハンドドリルが3mmということで、まず3mmの穴を開けてからルーターで削り広げることに。これが意外に面倒なので、6~7mm程度のドリルがあればよかったなぁと思いました。

電池式ミニルーターは連続して使用すると故障の原因となりますので、時々刃先の掃除も兼ねて休みながら行います。また、削りカスが出ますので、庭先など掃除のしやすい場所で行うことをおすすめします。
この作業では、目に削りカスが飛んでくることや、高速回転する部品による危険があります。作業には十分お気をつけて!


開け出すと結構気持ちいい

時々裏から見てモチベーションをキープ

全部開け終わったら...

型紙を取りましょう!


5.筐体加工


さて、文字盤の加工が終わるとグッと完成に近づきますが、いざ中心に開けた穴にムーブメントを通そうとすると、本体に加工が必要なことがわかります。ほどほどのサイズで切り取りが必要なので、ディスクカバーの受け部を裏面からPカッターで切り取ります。
今回の作業は、正直に言って「文字盤がかっこよくできたから早く組み付けした〜い!」という気持ちでかなり雑に切り取りましたが、本来なら金尺などを使ってきちんと切り取ったほうがいいのは間違いありません。
この作業ですが、今回はPカッターで行ったものの、ハンディ電ノコなどがあればグッと作業が楽になりそうです。今回の作業全体でこの筐体加工が一番しんどい作業でしたので、便利な工具があるのでしたらPカッターにこだわらずに使っていきましょう。
切り取り後、断面が荒れていたり尖っている場合には面取り・ヤスリがけをします。

また、ムーブメントをおさめる部分を作っていざ通そうとすると、今度はディスクカバー裏面にある円状のパーツが邪魔であることがわかります。この部分はニッパーでねじるように切り取り、ルーターで慣らし作業を行いました。

今回は行っていませんが、壁掛け時計として使用する場合は基盤を外した底面のパーツにフック用の穴あけが必要になります。


完成形。中心から下方向に切り進めます

円部分を取らないとムーブメントが通りません


6.ムーブメント組み付け・動作テスト


筐体加工が終わればいよいよムーブメントの組み付けです。ディスクカバー裏側からムーブメントを通し位置を確認します。仮置きして場所が決まったら、グルーガンで固定します。接着剤の類でもよいのですが、手軽に扱え固定が早いこともあってグルーガンを使用しています。
ムーブメントが固定できたら、2.で分解した針を逆に短針、長針、秒針の順に組み付けます。
針の組み付けができたところで、ムーブメント側の調整つまみでぐるりと1周できるかテストです。針の曲がりや中心部の穴への干渉がないかを確認します。OKなら、電池を入れていよいよ時計として稼働です!


7.組戻し・完成


組戻し時には、分解時と違いディスクカバー部分に時計の針がありますので、そのまま裏返してネジ止めできません。立てたり時計の針部分が当たらないようにしてネジ止めしましょう。
と、いうわけで「プレイステーションのリサイクル時計」完成です! おつかれさまでした!


ディクスオープンで電池交換OK!

もう一度この写真でシメましょう


道のりはまだまだ長い……!


さて、なんとかここまで完成はさせましたが、作業開始直前に、よりすごい加工をされた方が登場、という紹介記事がそうさめもさんに!
電源ボタンでLEDが光って、うーん、これはカッコイイ!! ドリル穴の文字盤が活きてますね!


たまのお休みはこんな工作も楽しいものです。今度は何をしようかな、とプレイステーション時計を眺めながら考えています。
それではまた。

プレイステーションSCPH-7000本体 PS
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2015年9月2日追記

なんとかがんばってLEDを内蔵して光らせることに成功しました!



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