中村佑介さんのイラスト講座とスタープレイヤー論
先日目にした「中村佑介さんの「見やすい」イラスト講座」が、いち職業人として良いなぁと感じたので、私が仕事を語る時にたびたび口にする「スタープレイヤー」のお話とあわせて少し書いてみます。
インターネットが実現した夢のやりとり
「中村佑介さんの「見やすい」イラスト講座」は、Twitter上でやり取りされた、中村さんとイラストレーター志望の若者とのツイートのまとめです。
私は中村佑介さんは名前とイラストのテイストを知っている程度で、強い興味を持っていたわけではありません(冷静に考えるとこれはこれですごいことなのですが)。そんな私ですが、一連のまとめを見て大変あたたかい気持ちになりました。
まとめられたものを一読していただければわかりますが、中村さんのアドバイスはひとつひとつ的確でわかりやすく、愛情にあふれたものです。アドバイスをもらった若者たちは、あこがれのイラストレーターに声をかけてもらったことを自信に思い、誇りに思い、一生忘れないでしょう。インターネットがあってよかったなぁ、と思う瞬間です。
スタープレイヤーとしての役割
私は仕事について語る時、スタープレイヤーという言葉で活躍している人のことを口にします。
簡単に言えば、業界を代表する実績を持ち、発言に影響力がある、若者に目標とされる、そんな人のことです。
そんなスタープレイヤーたちに、私は望むことがあります。
それは、世の中に夢と希望を与えてほしいということです。
輝かしい活躍をしている人も、言ってしまえばただの人間。悪態をつきたくなる、愚痴がこぼれる日もあるでしょう。辛辣な意見が言いたくなる時だってあるでしょう。
でも、みんなが見ている公の場ではそんな姿は見せてはいけないと私は考えます。どうか見えないところで「しんどい」とつぶやいていただきたい。無茶言うな? そうです。無茶です。しかし、私はスタープレイヤーにはそうあってほしいと願っています。
すばらしい仕事に憧れる気持ちを、失わせないでほしいと願っています。
辛い時があっても、世の中に「オレはこんなすばらしい世界に生きてる!」と叫んでほしいのです。
中村さんはアドバイスの後に「また絵を見せて」といったことをよく書かれていました。また、イラストだけではなく、人との接し方についてもアドバイスされています。そういった言動には、若者たちへの「一緒にがんばろうよ」という気持ちがすごくよくあらわれていると感じました。
それは自身の生きているイラストレーションの世界に対する誇りや愛情があるからこそ出てくるものなのではないでしょうか。
そしてそれは、自身を育ててくれたイラストレーションの世界への恩返しという意味も感じます。
あきらめた奴らの分も走るぜ、という気持ち
いろいろな業界はありますが、どの世界でも活躍する人もいればあきらめる人もいます。
「知ったことではない」と言われるかもしれませんが、生き残った人たちにはどうか「あきらめた奴らの分も走るぜ」という気持ちで前へ進んでほしいと願います。
そういう姿が、これからの若者に夢や勇気を、あきらめざるをえなかった誰かに赦しや希望を与えるのではないかと思うのです。
すいぶん勝手な言い分ではありますが、やっぱりスターにはカッコよくいてほしいのです。
中村さんは、カッコよかった! 一気に好きになってしまいました。