ちいさくてかわいい! TINY ARCADEとRETRO ARCADEのこと
2018年のtee-suzuki.comは、どういうわけかin1機のことからキーチェーンゲームのことなどにもお話が広がりましたが、2019年は国内で発売される小さなゲーム機の話題が飛び込んできました。
国外ではすでにリリースされているTINY ARCADEとRETRO ARCADEです。
噂には聞いていましたが、実際に手にしてみると想像を超えるインパクトがあるマシンでした。
今回は、ガツンときたTINY ARCADE、RETRO ARCADEについてのファーストインプレッションを書き残してみたいと思います。
キーチェーンゲームの最終形!? TINY ARCADE
TINY ARCADEは、写真だけ見る限りではアーケードゲーム黎明期のアップライト筐体そのもの。そしてそのサイズがわずか10cmにも満たないというスペックを知った時には「ああ、そういうアクセサリ?」と思ったものですが、なんとプレイ可能ということで、理屈ではわかっていても一体どんなプレイ体験になるのか想像もつきませんでした。
日本国内では2019年3月に発売とのことですが、こらえ切れずアメリカからの輸入品を取り寄せ。パックマンとスペースインベーダーの2タイトルを遊んでみました。このタイトルを選んだのは、比較的単純な操作で遊べるのではないかという理由から。タイトルは違えどレバーとボタンの構成は同じなので、パックマンは一瞬「あれ?このボタンは?」という感じになりますがそこはご愛嬌。スタートボタンとしてしか使用しません。
開封してさっそく背面スイッチから電源を投入。当たり前といえば当たり前なんですが、この小さな画面が点灯しタイトル画面が表示されること自体に正直感動してしまいます。そして、これまたそういうものなので当たり前なんですが、音が出て、プレイできる……。これってすごいことですよね。
さて、実際のプレイ感覚はというと「お世辞にもプレイしやすいとは言えない」というのが率直な感想です。というのも、スティックというよりはコンパネの上に小さなボール部分が少しだけ飛び出しているという状態なので、スティックをつまむというよりは、指の腹を使って操作する、という形になります。
今回はスペースインベーダー、パックマンというタイトルということもあり、そこまで繊細な操作は求められませんが、タイトルによってはかなり苦戦するのではないでしょうか。
画面の見やすさについては、裸眼での視力1.0〜1.2の自分がプレイするには大きな問題はありません。が、これも動きの少ないタイトルであったことが幸いしている可能性が否めません。ギャラガなど動きの激しいものだとどうなるのか、なども見てみたいですね。
なお、一見すると確かにスペースインベーダー、確かにパックマンなのですが、物理的なサイズと解像度の都合上、冷静に見てしまうとやや圧縮感が気になるところです。このあたりはサイズとトレードオフということで致し方ないのかもしれません。
小さな画面に集中して見入ることで意外なほど没入感があるのですが、プレイしている姿を少し離れて見てみると「えっ、今なにしてるの?」という感じに少し不思議な印象を受けるかもしれません。
ここまでプレイ面についてはやや否定的な物言いもしてしまいましたが、やはりTINY ARCADE最大の魅力はその小ささ、かわいらしさであることは間違いないでしょう。個別のデザインに彩られたこの小さなアップライト筐体をデスクの端に置いて、ちょっと気が向いた時に電源を入れてやれば明るく光るマーキーやデモ画面に癒されます。本当に本当に惜しいのは、入力操作無しの状態のデモが約20秒で自動スリープに切り替わってしまうこと!
これさえなければ、複数台並べた状態でデモを流しっぱなしにして、デスクに小さなゲームセンター、文字通りのTINY ARCADEを作れたのに、と悔やまれてなりません。
プレイしやすさに工夫あり! RETRO ARCADE
さて、TINY ARCADEより少し遅れて国内向け発表があったのが、RETRO ARCADEシリーズ。TINY ARCADEと同じくナムコのクラシックゲームをラインナップしていますが、最大の違いはその大きさです。
こちらも一般販売は2019年3月となりますが「パックマン」「ギャラガ」「ディグダグ」の3タイトルが2018年12月よりゲオにて先行発売されています。今回はTINY ARCADEでチョイスしなかったディグダグを買ってきました。
TINY ARCADEとRETRO ARCADE、いずれも
- 海外メーカーによる正規ライセンス品
- アーケードゲームをイメージした筐体
- 1ハード1タイトル設計
- コレクション心をくすぐるミニチュア感
と、コンセプトとしては似通っています。
しかし実際に遊んでみた印象としては、RETRO ARCADEには小ささを犠牲に(という表現が適切かはさておき)しただけの価値をしっかりと盛り込んでいるなと感じます。
最初に述べたように、絶対値としては小さいながらもTINY ARCADEと比べると十分なサイズのディスプレイで、プレイするのに筐体から少し距離を取っても遊ぶのに支障はありません。明るさもしっかり出ており、必要十分な解像度もあるため、TINY ARCADEで感じた無理矢理感のようなものは感じません。
また、操作面では十字キーに着脱式のジョイスティックが取り付けられており、好みに応じて着脱どちらでも遊べるようになっている点も好感が持てます。
ちょっとした工夫がうれしい
このRETRO ARCADE、ゲームそのものとは関係ないものの遊ぶ上での嬉しい工夫がいくつかあります。
まず電源。本体には単三電池4本を取り付けることで稼働しますが、マイクロUSBケーブルでも給電できます。取扱説明書には仕様がかかれていないため稼働時間は不明ですが、初代ゲームボーイよりも電池消費は激しいと思われますので、マイクロUSBでの給電はコストパフォーマンス面でも安心できますね。
そしてサウンド面。TINY ARCADEでは音量調整はできませんでしたが、背面のボタンにより音量の調整もOK。ミニピンによるイヤホン端子も備えていますので、音量が気になる環境でのプレイにも対応できます。
製品のキャラクター性を考えると、こういったゲームそのものに直結していない機能というのは軽視されても致し方ないようにも思いますが「ちゃんと遊べる」ものにするために、必要な機能が盛り込まれているのは本当に嬉しいところです。
少しだけ気になる点は……
ここまでかなり手放しで感想を述べてきましたが、気になる点もあります。
製品名として「ARCADE」をうたっていますが、あれ? ディグダグって縦画面では……。タイトルもプレイ画面も、これはほぼファミコン版ですよね。そしてその割にはポーズ機能は無いという中途半端にストイックな仕様。うーん、どうせアーケード版にできないのであれば、こういうところももう少し遊びやすさに振ってくれてもよかったんだけどなぁという印象です。
とはいえ、この金額、この作り、メーカー側もコレクタブルアイテムとして打ち出していることを考えれば、あくまで当時のタイトルを100%の精度ではなくイメージとして楽しむ製品であるということは十分に割り切って理解できます。
ちなみに本国サイトではこれら「MICRO PLAYER」よりも大きな「MINI PLAYER」や携帯機形状の「POCKET PLAYER」というラインナップもあって、いやいやナムコ80'sタイトルもいいですけどこっちを日本に! なんとか頼みます! という気分になれますので、是非あわせてご覧ください。
My Arcade®
My Arcade® is led by passionate life long gamers who understand exactly what retro lovers want.
どっちを選ぶ?
価格的にはTINY ARCADEが2,480円+税、RETRO ARCADEが3980円+税、ということで、いずれも単体で見れば出来栄えから言っても満足いくものです。正直なところ、デスクスペースの空き次第かなぁという気もしますが、問題はどちらを選んでもそれなりに「並べたい!」と思ってしまうところ。1つ欲しくなるような方ならきっと複数台欲しくなってしまうある意味魔性のアイテムと言えるでしょう。
個人的には、全部買ってしまうと予算・スペースとも問題なので、RETRO ARCADEのギャラガを買い足してフィニッシュとしたいと思います。
ところで、TINY ARCADE、RETRO ARCADEとも、in1機の逆を行く1ハード1タイトルのアイテムですが、よくよく考えたらARCADE 1UPもそうですね……。スペースと予算の都合さえ合えば、TINY, RETRO, 1UPとサイズ違いのあれこれを並べてみたいものです。……値段的には気合一発なんですが、スペースがなぁ。
(今ARCADE 1UPのサイトを見ていたら、第二弾はATARIとMIDWAYのin1機がラインナップされてる!)
ともあれ、デスクに並ぶ筐体を眺めるのは、心が安らぎます。皆様のデスクにも是非。
それではまた。
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