「ウンジャマラミー」20周年のこと
「ウンジャマラミー」20周年おめでとうございます!
限りなく近い書き出しで「パラッパラッパー」20周年のこと、を書いたのが2016年12月のこと。あの時「2年ちょい後にウンジャマラミーの20周年のことが書けるといいなぁ」と思っていましたが、ついにこの時がやってきました。
パラッパラッパーがプレイステーションのポップアイコンとして大きな成長を遂げた90年代後半、ウンジャマラミー発売の報に触れ「一体どんなゲームに⁉」と興奮したのをよく覚えています。
そんな実質的なパラッパラッパー2とも言える「ウンジャマラミー」が生まれたのは1999年3月18日、今から20年(!!)前のことです。
キュートで元気なロックンロール!
「パラッパラッパー」といえば、ラッパーのパラッパがサニーちゃんへの思いを元に成長していく一種のグローイングアップストーリーを、ポップでキュートなラップでゲームにしていくという、当時全く新しいゲームでした。
それに対し「ウンジャマラミー」はまさかのHIPHOPからロックへのジャンル変更! メインキャラクターとして前作からケイティが続投するものの全く新しい主人公であるギタリスト、ラミーを中心としたものに変わっていきました。パラッパラッパーがパラッパの少しぽや〜んとしたヴァイヴスの可愛らしいイメージだとしたら、ウンジャマラミーは、ラミーやそのバンドMilkcanの元気なガールズパワーの前向きな、でもいつもの毎日の1ページとも言えるイメージのように感じます。
ラミーといえば、普段は恥ずかしがり屋の引っ込み思案。でもギターを持ったら最強!なキャラクターで、そのギャップこそあるものの「やればできる子」なのは間違いありません。そんな彼女が夢の中でタマネギ先生に"Dojo Casino. It's All In the Mind."と説かれ、ギターが無くとも"Leave it to Lammy!!"と言えるようになる、そんな成長もまたこのゲームの魅力と言えるでしょう。
「音楽ゲームの革命」による苦しみ
さて、本来なら大ヒットタイトルであるパラッパラッパーの続編としてさらなる飛躍を、と感じるところなのですが、残念ながらセールスとしてはパラッパラッパーの半分程度という数字となってしまっています。
これはウンジャマラミーというタイトルそのものの問題というよりは、パラッパラッパーがパイオニアとして切り開いた「音楽ゲーム」というジャンルが変質していったことに原因があるのではないかと想像しています。
前作と今作の間に起こった最大のインパクト、それは「beatmania(ビートマニア)」の出現と言って良いでしょう。beatmaniaは96年のパラッパ、99年のラミーの間となる1997年に稼働を開始したアーケードゲームというのは皆さんもご存知の通り。ここでbeatmaniaが起こした革命が「譜面を元に演奏をさせる」という音楽ゲームの根を張りなおすルール変更でした。
今や当たり前になってしまって違和感すら覚えないかもしれませんが、パラッパラッパー、ウンジャマラミーが「お手本の後に同じ演奏をする」のに対してbeatmaniaの「譜面を元に演奏する」というのはプレイヤーにとって非常に刺激的で、基本的に同じフレーズを繰り返すことになるパラッパ/ラミーの曲作りと比べて音楽性の幅も大きく広がることとなりました。
個人的には、ここで「自らが演奏しているかのような体験をさせる音楽ゲーム」が当たり前となってしまったことでbeatmaniaのシステムがパラッパ/ラミーよりも支持されていったというのがウンジャマラミー苦戦のひとつの原因だったのではないか、というように感じています。
ただ、これはもはやパラッパ/ラミー個々のタイトルやゲーム性がどうこうという問題ではなく、もう完全にbeatmaniaが起こした「革命」がそれだけ大きかったと言えるでしょう。音楽ゲームを生んだのがパラッパラッパーとするならば、20年を超える現在まで連綿と続く太いジャンルにまで作り育て上げたのがbeatmania、ということなのだと思います。
音楽だけじゃない、世界を楽しめるゲーム
ウンジャマ的にはやや暗い話題も出してしまいましたが、ウンジャマラミーが素晴らしいゲームであることには全く変わりはありません。
パラッパラッパーと地続きの世界で全く新しい魅力的なキャラクターをまた生み出し、広げていったこと。これはもうそのまま手放しで大喜びしたものです。
先にも言いましたが、ラミーのキャラクターが本当にキュートで、パラッパとはまた少し違ったヘナチョコぶりがまたいいんですよね。言いたいことがうまく言えなくて、ちょっとした勘違いで巻き込まれてしまったり、でもそんな中での成長があったり。
また、前作ではパラッパの友達としての出演だったケイティも、仕切り屋気質という面だけでなくバンドのヴォーカリスト、ベーシスト、リーダーとしての面を見せてくれます。そして東洋の神秘(?)マーさん! 3人が3人ともライブギリギリに駆け込んでくるシーンには不覚にもちょっとグッときてしまうのでした。
雑に説明すると「ライブに遅刻しちゃう!急げー!」というストーリーも、Milkcanメンバーの信頼感や、いい意味でのグダグダ感や、特別な日じゃなくて、あくまでいつもの日常という、そんな世界が好きなんだなぁと改めて実感するのです。
tee-suzukiのウンジャマグッズギャラリー
パラッパラッパーの回でもお伝えした通り、ゲームキャラクターとしてこれまでにないグッズ展開を生み出したこのシリーズ。もちろんウンジャマラミーグッズも非常にたくさん作られ、愛されました。ここではそのほんの一部となるtee-suzuki所有のウンジャマラミーグッズをご紹介します。
ZO-3 ウンジャマラミーモデル。このギターだけは自分で買ったものではなく、私事のお祝いとして友人からプレゼントしてもらったものです。発売当時「欲しいけどとても買えないな〜」と話していたら「じゃあなにかお祝い事でもあった時に」なんて気軽に答えていた友人が、10年後のお祝い事にこっそり手配してサプライズでプレゼントしてくれました。ギターはほんのすこーしだけ弾いたことがある程度なので、もったいなくも主に観賞用ですが、ずっと自分の部屋で輝いています。
他にもダイカストクッションやハンカチ、ギター教則本やマグカップにテキーラグラスもあるのですが、特に食器類が深いところにあるので、また機会があれば追加してみたいと思います。
20周年、静かだけどお祝いしたい!
パラッパには20周年でPS4HDリマスター版が出ましたが、ウンジャマラミーには特にそういった動きもなく、静かな20周年となりそうです。でも、20年経っても、Milkcanサウンドと、パラッパ&ラミーの仲間たちは今も元気です。「あ、懐かしいな」と思ったら、ぜひもう一度プレイしてみてください。きっとテリヤキヨーコのライブでキーッ!ってなることでしょう。
ゲームから広がる音楽とキャラクターと世界。20年経った今だからこそ、あらためてこの「ウンジャマラミー」というゲームをこれからも楽しんでいきたいと思うのでした。
それではまた。
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