22年目の初体験! バーチャルボーイのこと
相変わらずGRAVITY DAZE2を……と書き出したいところですが、最近お仕事の方が忙しく進められずにおります。
そんな中、タイトルで直球を投げておりますが、バーチャルボーイ(1995年/任天堂)を入手しましたので、短い自由時間を突っ込んでみたいと思います。それにしても22年前の製品の公式ページが残ってるって、すごいなぁと。
何度もあきらめていたバーチャルボーイ
そもそもバーチャルボーイとは何か、というのをここで語るのは野暮というものですが、一般的なバーチャルボーイのイメージといえば「任天堂の黒歴史」「赤いメガネ」「投げ売り」「単色ゲーム」といったような正直ネガティブなものばかり。
発売当時の1995年といえば、サターン、プレステがビデオゲームの次の扉を開いていた時期。当時の自分もバーチャルボーイよりも断然サターンに心奪われており、バーチャルボーイは試遊機で一度のぞきこんだきり。なんとなく気恥ずかしくてプレイできなかったんです。
それから10年、20年。実は何度か「バーチャルボーイ欲しいな〜」と思う時がありました。それでもその度「本当に買うの?」「ソフトほとんど無いよ?」「ちゃんと遊ぶ?」という心の声が何度も邪魔をして、結局「自分はバーチャルボーイとは縁がなかったのだ」と思い込ませてやり過ごしてきたのでした。
時はVR2年!? VRの源流に触れてみたい
世に言う「VR元年」というのは、2016年を指すそうです。これはOculus RiftやHTC Viveといったデバイスの登場を元に言われているようですが、個人的にはやっぱりPlayStation VRも込みで、ああなるほどVR元年だなぁと思うのです。
さてここ数回のブログ冒頭でPS4を買ったよ〜遊んでるよ〜というお話をしているわけですが、PSVRは持っていません。実は勤務先にはPS4+PSVRがありますが、これも未体験。基本的には3D機器であり、現在の文脈で語られるVR機器とは全く別物のバーチャルボーイですが、セガのバーチャほにゃららシリーズの次くらいに日本にバーチャルリアリティーを広めたと言っても過言では無い一品。このバーチャルボーイを通過せずにPSVRに進むのはいかがなものか……。
そんなわけで、PSVRに触れる前にまずはバーチャルボーイでしょう! という機運が自分の中で高まったところで、偶然の出物にも出会い、ついにバーチャルボーイを手にすることになったのです。
そもそも3D立体視って面白いの?
今日本で一番普及している3D機器といえば、もちろんニンテンドー3DSなわけですが、発売当時から現在に至るまで、正直なところ3D立体視を全面に押し出したタイトル、3D立体視が決め手でヒットしたタイトルというのはあまりないのではないでしょうか。個人的には「3Dですよー」と大きく声をあげているのは3Dクラシックス(例: ゼビウス)とセガ3D復刻アーカイブスくらいの印象です。廉価な2DSの発売などもあり、そもそも3Dってゲームとして面白いの? という意識も捨て切れません。
PSVRの話を持ち出しておいてなんですが、3DSを知った後、バーチャルボーイをどう感じるのか、このあたりも非常に興味深いところでした。
実際に遊んでみました!
今回手にしたソフトはレッドアラーム(1995年/T&Eソフト)、とびだせ! ぱにボン(1995年/ハドソン)、テレロボクサー(1995年/任天堂)、マリオズテニス(1995年/任天堂)、バーティカルフォース(1995年/ハドソン)の4タイトル。今回はバーチャルボーイの鉄板ソフトと言われるレッドアラームを通してその世界を体験したいと思います。
まず起動時のバーチャルボーイロゴ画面が表示されるのですが、これはキャリブレーション画面でもあります。4つの角に表示されるVBマークが視界に収まるように本体上部の「目の幅調整ダイアル」で調整します。また、ピントについては同じく本体上部の「ピント調節スライドノブ」で調整。バーチャルボーイの特徴として圧倒的な没入感がありますが、これはこのように個人差を吸収するキャリブレーションがしっかりできることによる立体視の実感しやすさが大きな助けになっているものと思います。
「レッドアラーム」はすごかった!
さて、見出しの部分でほぼ全て言い切ってしまった感はありますが、レッドアラームを体験した時「すげえ!」という言葉が口をついて出ました。赤色LEDによる明暗4階調のみの単色ゲームにここまでの力があろうとは……。
このゲームのごく簡単な概要は、全編ワイヤーフレームで描かれる3Dシューティング。上下左右への動きだけでなく、スピードの概念があり、車のギアのように後退まであることで、よくある3Dシューティングのような強制スクロールではなく「自分の意思でこの空間を進んでいる」という感覚が得られます。ゴーグル式の本体により周囲の光を(完璧ではないにせよ)防ぐことに加え、ソフト側の設定でも制御できる奥行き感がバーチャルボーイ最大の長所である没入感を高めています。解像度としては決して高くない表現にもかかわらず、3D立体視が非常に生きていると感じるのは、その奥行き表現。現代の3DSにおいてもいわゆるカキワリのように手前と奥の2つのポジションのみを感じるようなゲームが多い中、レッドアラームでは明らかに「奥へ進んでいる」感覚の再現に成功しています。ここは正直なところバーチャルボーイというよりはT&Eソフトの開発力、ハードの特性をとらえきったアイデアと情熱に賛辞を贈るべきでしょう。
もう少し語りたいので後編へ
さてここまでバーチャルボーイとレッドアラームを通じたプレイ体験について書いてきましたが、3DSにも無いバーチャルボーイならではのエッセンス、3D立体視って面白いの? へのセルフアンサー、バーチャルボーイはビデオゲームだったのか、などもう少し言葉が出てきそうなので、今回は一旦ここで〆て、自分の中に勢いがあるうちに書き残してまたお目にかかりたいと思います。
それではまた。
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