iPod nanoを組み込んだビジュアルメモリのこと(前編)
5月も後半、2018年のゴールデンウィークもすっかり遠くなりました。あっという間ですね。 ゴールデンウィークにはなんだかんだで普段できないような工作ごとをすることが多いのですが、今年はドリームキャストの周辺機器「ビジュアルメモリ」にiPad nano(第6世代)を組み込む工作をしてみました。
ちなみに2014年、2015年はほぼ同じ書き出しで「初代ゲームボーイの外装レストア」「初代プレイステーションのリサイクル時計」の工作をしていました。そして2017年はゲームギアの修理をしていました。何もやってないような気がした2016年は初代ゲームボーイのメンテナンスをしていたようです。
2018年6月1日追記:2016年は初代ゲームボーイのメンテナンスもしてましたが、インベーダーモビール作ってたみたいです。
ビジュアルメモリにiPod nanoを組み込む、という文化
この工作を初めて見たのは、もうずいぶん前のことなのですが、その姿にシビれて「いつか自分でもやってみたいなぁ」と思ったものです。ただ、それから何年経ってもiPod nano自体がなかなかいいお値段で、手にすることがないまま今年に至っていました。そして先日縁あってシルバーのiPod nanoをお迎えすることになったので、いよいよ実現してみようかな!という流れになったのでした。
さてこのビジュアルメモリにiPod nanoを組み込む工作、ビジュアルメモリnanoという呼び方なんかもされているようで、ゲーム工作がお好きなみなさんの間ではポピュラーなアイテムのようです。外装をアレンジする方や、腕時計に加工された方、はたまたボタンもしっかり動作させてゲームまで遊べるようにしてしまったという方までいらして、うーん、これはもう一つの文化だなぁ、と思った次第です。
以下のTwitterモーメントはiPod nanoに限らずビジュアルメモリのカスタマイズがまとめられたものです。
みんなちがって、みんないい
— ぽめ (@pomegd) 2018年5月4日
【VMU MOD】ビジュアルメモリの改造&カスタマイズ、その他#dreamcasthttps://t.co/s5tLisvNTD
tee-suzukiのビジュアルメモリnanoのコンセプト
譲っていただいたiPod nanoは、腕時計バンドも合わせて譲っていただいたので、今回の工作をするまではAppleWatchのような感じで腕時計として使用していました。もしビジュアルメモリに組み込んだとしても、この腕時計として使うというのもまた楽しみたいなぁという気持ちもありまして、以下のようなコンセプトを掲げることに。
- いつでも簡単に純正iPodに戻せるようにする
- ビジュアルメモリの外観は出来る限りそのままにする
- 充電/データ転送などに手間がかからないようにする
- ストラップがつけられるようにする
- ボタンは機能しなくてもよいこととする
というわけで、作ってみました!
準備したもの
材料
- iPod nano(第6世代)
- Apple純正イヤホン(イヤホン側でコントロールを行うため)
- 30pin - lightning変換アダプタ
- ドリームキャストビジュアルメモリ
- ネックストラップ
- プラ板
- クッションテープ
- アクリル棒(6mm径)
- ストラップホール用金具(針金などで代用可)
工具
- 精密プラスドライバー
- ニッパー
- ハンドドリル(各種サイズ)
- グルーガン(ホットボンド)
- 接着剤
- 電動ルーター(あると便利)
今回の工程
- ビジュアルメモリの分解・清掃
- ビジュアルメモリ筐体内部加工
- iPod nano組み込みに伴う加工
- 組戻し・完成
1. ビジュアルメモリの分解・清掃
まずはビジュアルメモリの分解から。自体は裏面から小さなプラスネジで止まっているだけなので簡単に分解できます。
4つのネジを外していきます。加えて電池のふたも同様に外して電池を抜いておきましょう。 この状態で筐体が前後に分かれますが、背面にスピーカーがつけられているため、完全にはバラバラになりません。
スピーカーは接着されているだけですので、手でめくるようにして取り外しができます。これで筐体が前後に分割できました。
次に全面筐体に取り付けられている基盤の取り外しです。基盤両端の中央少し下に2つのネジがありますので外していきます。これで全面筐体と基盤が分割できます。十字ボタンと、A、B、スリープ、モードの各ボタンのパーツもここで外れます。
今回はこの時点で、中性洗剤とブラシによる清掃を行っています。よくすすいで水気を切りましょう。
2. ビジュアルメモリ筐体内部加工
今回のコンセプト「いつでも簡単に純正iPodに戻せるようにする」「ビジュアルメモリの外観は出来る限りそのままにする」を実現するために、筐体の内側を削ってiPod nanoをそのままの形で組み込めるようにしていきます。
筐体の内側は基盤やボタンを固定するための形成がされていますので、これを切り取り削っていく作業がメインになります。
まずは筐体上半分を処理。ニッパーなどで切り取り、ルーターで削っていきます。ここまでできると、iPodをそれっぽい位置に納めることができるので、気持ちが大分盛り上がります。
実際の作業は、この内部加工を行いながらiPodをぴったりの位置に納める作業を並行して進めているのですが、ここでは説明のため内部加工のお話を先にしていきます。
結論から言うと、前面の筐体で残したのは十字ボタンを固定するための突起を1箇所、下側のネジ穴、筐体向かって右下の棒状のパーツのみとなります。後述するアダプタなどを納めた場合にほとんどを削り落とす必要がありました。
背面の筐体では残した部分は向かって左下のネジ穴、上側のネジ穴の一部、電池のふたを固定する爪の受け部、ということになります。
以下の写真は最終的な作業完了状態ですが、どの部分を削り取ったかがわかるかと思います。
ちょっと長くなってしまったので、まずはとりあえずそれっぽい形となったここまでを前編として「3. iPod nano組み込みに伴う加工」以降は後半としていきたいと思います。
それではまた。
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「iPod nanoを組み込んだビジュアルメモリのこと(後編)」はこちらから。
いよいよ組み込み&完成です!